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2020-07-09 13:00:00

こんにちわ、本日のブログは まんどころ コーチが担当いたします。

 

今回は挨拶の重要性についてお話したいと思います。当クラブの体操教室の練習内容は、学校体育が上手くできるようにという体育教室ですがそんな中でも筋力や感覚に秀でてくる子はやはり出てきます。そういった成長が見えたお子様は、コーチの推薦で「バク転や宙返り」を練習するクラスにお誘いしていきます。

 

スカイハイクラスと呼んでいるそのクラスでは、「学校体育ではまずやらないような難度の高い技」に向けた練習を行うのでケガをしてしまう可能性もあがるために様々な面において、普通のクラスの子達よりもう1つ上のレベルでの指導を行います。その1つが挨拶です。

 

001あいさつ.jpg

 

このスカイハイクラスでは、

 

『クラブにいる間はすれ違う人【全員に】来た時は「こんばんわ」、帰る時は「さようなら」と挨拶をしなさい』と指導しています。

 

このクラブにいる全ての人、つまりコーチ、通っているみんな自身、お家の人、大人のお客さん、フロントのお姉さん、水泳に来ているみんな、と、このお店に関わっている「全ての人のおかげ」で、みんなはここで体操ができているということを分かって、知らない人でも自分とは直接関係のない人まで挨拶をしなさいと伝えています。

 

 

そんなスカイハイクラスで頑張ってくれている、ある9歳の男の子の話です。

 

 

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その男の子は、今年の4月に通常のクラスからスカイハイクラスに変わりました。通常のクラスでは「楽しさ」を中心に授業を進めますので、その気持ちが切り替わらないままスカイハイクラスで練習を開始しました練習中もどこかふらふらと力が入らず、へらへらと笑いながら何となく練習していました。 このクラスでやる技からは、膝や肘はもちろん「指先や足首」まで伸ばす力が入らないとできない技ばかりです。このクラスに誘っているのですから力はある子ですし、例え伸ばせる力はあっても「伸ばそう」としない限りは勝手には伸びません

 

4月に先ほど書いたような「挨拶」の話をクラスのみんなにしていたのですが、このコロナ禍の休業期間の影響で始めたての子達はその意識ができていません。

 

先々週、その男の子はいつも通りの雰囲気で練習していました。ただ、ある練習の時に他の子達は膝が伸ばせたのに、自分1人だけ伸ばせないという場面に遭遇しました。すると、その男の子からみるみるうちに「笑顔」が消えて、眉間にしわをよせた表情に変わりました。

 

私は「ここだ!」と感じて、その子の練習を止めて話をしました。

 

 

「〇〇くんは力が強いのに、なんで膝が伸ばせないと思う?」 と私。

 

「・・・・」 しばらく考えこむ男の子。答えは出なくても「考える」、うん、大事大事。

 

「〇〇くんはあいさつをすれ違う人全員にやるっていうのをやってる?」 と私。

 

「・・・やったりやらなかったりする」 と正直にその男の子。そりゃそうです、誰だってはじめはそんなもんです。この時点でこの子はえらいです。

 

「ふーん、やったりやらなかったりするんか。だからこの練習も【膝が伸びたり、伸びなかったりする】んじゃない?」 と私。

 

 

 

 (ここで、男の子の表情が「はっ」と変わります。ほんとに、絵に描いたような「はっ」とでした(笑))

kodomo_hattosuru_otokonoko[1].png←まさに、こんな感じでした(^^

 

 

 

「まずはあいさつから【いつでもだれでもする】ようにしてみー。そうすえれば〇〇くんは力が強いから、同じように【いつでもどんな練習でも】ヒザが伸ばせるようになるわ。だからあいさつは「体操の練習」なんやで」 とたたみかける私。

 

「うん、やってみたい」 とその男の子。 ・・・ん? 「わかった」や「やる」じゃなくて、「やってみたい」か。やっぱこの子は賢いと改めて感じました。

 

「よっしゃ、じゃあこれからの〇〇くんのあいさつも遠くから見とくでー」と私。これ以上何も言う必要はないと感じました。

 

 

~ その翌週から、ちゃんと成人会員のお客様にも挨拶をしているその男の子の姿が遠くからも見てとれました。するとまず、「倒立」が変わりました。まっすぐに伸び始めました(まだ壁で練習中ですが)。そして先週1人だけ膝が伸びなかった練習でも見事膝を伸ばせました 

 

「おー〇〇くん、めっちゃ膝伸びてるやん!すげー!やるなー!」 と私。もう事実を賞賛するだけで十分です。あいさつをちゃんとして力を入れる意識までできるようになった、とか理屈の説明を伝えたりはもうどうでもいいです(笑)

 

そう言われてその男の子は、特には何も言わなかったですがコーチの私は笑顔に変わった瞬間を見逃しません(笑)。

よし、この子はきっとこれから挨拶もできるようになり、その結果体操の技の完成度まで上がっていくこと間違え無しと感じました。

 

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と、いう先週の出来事です。

 

体操は指先まで意識して伸ばす」スポーツです。その為には、様々なことに対して「細かく意識できる」ということが必要です。その1つがあいさつです。

 

あいさつは、【あいさつする人を見つける(認識)→あいさつしようと思う(積極行動)→あいさつする(実行力)】といった思考力を辿ります。そんなこと子どもに伝えても分からないので、話すタイミングがすごく重要です。そういう意味では、どのスポーツでも武道でも「あいさつ」は「何かを意識できる」トレーニングとなりえます。

 

 

今回は9歳~10歳の発達段階特性の1つである「他者意識の発達」と「劣等感を持ちやすくなる」という部分を利用して、心に突き刺しました(笑)

 

もちろん、こんなにうまくいくことばかりではないですが、当クラブのコーチ達はこの「年齢による発育発達の特徴」を常に念頭において指導しております。不安定な情勢の中での習い事の中で、ご安心いただける材料の1つにしていただければ、と思います。

 

現在授業をご見学いただけない中で、こういったお子様の様子を具体的に日々ブログにアップしてご報告しております!

他の記事でも各コーチがそういった事例をご紹介していますのでぜひ、さかのぼってご覧下さい!